今月のおすすめbook10
2007年3月

無銭優雅 無銭優雅
山田詠美(幻冬舎)

「心中する前の日の心持ちで、つき合って行かないか?」人生の後半に始めたオトコイ(大人の恋!?)に勤しむ、42歳の慈雨と栄。大人になりそこねた男と女は名作に導かれて、世にも真摯な三文小説を織り上げる。死という代物に、世界で一番身勝手な価値を与えながら。4年ぶりの書き下ろし書篇。
(1,470円-税込)


夢を与える 夢を与える
綿矢りさ(河出書房新社)

ままならない学校生活、気にかかる母と父とその愛人、慌ただしく過ぎる芸能人としての日々、はじめての恋愛、そしてスキャンダル…。チャイルドモデルから国民的アイドルとなった美しい少女・夕子の成長する心とからだに流れる18年間を描いた待望の長篇小説。
(1,365円-税込)


フィッシュストーリー フィッシュストーリー
伊坂幸太郎(新潮社)

伊坂ワールドの名脇役たちが遭遇する、「別の日・別の場所」での新たな事件。売れないロックバンドが、最後のレコーディングで叫んだ音にならない声が、時空を越えて奇蹟を起こす。多重の企みに満ちた表題作他、読者人気の特に高い"あの人"が今度は主役に!デビュー第一短編から最新書き下ろし中編まで、変幻自在の筆致で編んだ伊坂流ホラ話の饗宴。
(1,470円-税込)


ぼくの血となり肉となった五〇〇冊そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊

ぼくの血となり肉となった五〇〇冊そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊
立花隆(文藝春秋)

蔵書はなんと三万五千冊!あらゆる知的領域を踏破し、血となり肉となった500冊をはじめて一挙に語りおろす。著作を書くにあたって使用した本はもちろん、根幹をなす哲学・宗教など立花隆の無限大の知的宇宙を大公開!
(1,890円-税込)


鈍感力 鈍感力
渡辺淳一(集英社)

鈍感こそが才能を大きく育み、花咲かせる原動力である!例えば、嫌な事はすぐ忘れてしまう人。説教は右から左に聞き流す人。いつでもどこでも眠れる人。なんでも食べる大食漢…。そういう人には「鈍感力」がある。複雑な現代社会に生きる知恵を、渡辺淳一に学ぶ。逆転の発想で、悩める人たちに贈る心優しい人生論!
(1,155円-税込)


日本人のしきたり

日本人のしきたり
飯倉晴武(青春出版社)

鏡餅は何のために丸餅を二つ重ねるのか?贈り物に水引とのしをつける理由は?四季を重んじ、人生の節目を大切にする…正月行事、大安吉日、厄年などに込められた知恵と心。いまに残しておきたい伝統の原点をさぐる。日本のこころ再発見!
(700円-税込)


大奥の奥 大奥の奥

鈴木由紀子(新潮新書)

徳川将軍家十五代の歴史は、大奥の女たちを抜きにして語ることはできない。将軍の世継ぎを産むだけの存在ではなく、表の政治にも密接に関わることで歴史を動かしてきた。大奥はいつできたのか?実際の仕事とはどのようなものだったのか?給料は、日常生活は?引退後の生活は?ベールに包まれてわかりにくい大奥の深奥を、コンパクトにまとめた一冊。
(714円-税込)


クラシックBOOK

クラシックBOOK
飯尾洋一(三笠王族文庫)

クラシック音楽はただ聴くだけでも十分に感動できる。だが作品が成立した背景や歴史を知れば、その感動はさらに深まる。なぜベートーヴェンが9曲しか書かなかった交響曲を、ハイドンは100曲以上も書いたのか。なぜロッシーニには晩年の作品が存在しないのか。本書では、古今の代表的な作曲家40人の人物像やエピソード、作品を紹介。
(730-税込)


影踏み 影踏み

横山秀夫(祥伝社文庫)

忍び込んだ家の妻は夫を焼き殺そうとしていた─。直後に窃盗罪で逮捕された真壁は、2年後出所するとすぐ、自分が忍び込んだ稲村家の秘密を調べ始めた。なぜ妻は夫に火を放とうとしたのか?母に焼き殺された弟の無念を重ね、真壁は女の行方を執拗に追うが…。哀切のハードサスペンス。
(670円-税込)

欅しぐれ

欅しぐれ
山本一力(朝日文庫)

深川の老舗大店・桔梗屋の太兵衛は肚をわった付き合いをする賭場の貸元・霊巌寺の猪之吉に店の後見を託し、息を引き取った。桔梗屋乗っ取りを企む一味と猪之吉一党との、知力と死力を尽くした闘いの行方は?命がけの男気と凛とした女の強さが心を揺さぶる本格長篇時代小説。
(630円-税込)