今月のおすすめbook10
2007年7月

ちんぷんかん ちんぷんかん
畠中恵(新潮社)

若だんなが三途の川で溺れてる?そりゃいけねぇ。すぐに助けに行かないと!で三途の川ってのはどこにあるんで?─頼りになるのかならぬのか、どこかとぼけた妖たちと誰より病弱な若だんながお江戸の町を舞台に大活躍する、ご存じ「しゃばけ」シリーズ最新刊。若き日のおっかさんの恋物語や兄・松之助の縁談など本作も面白さ盛りだくさん!
(1,470円-税込)


カシオペアの丘で
(上)(下)
カシオペアの丘で
重松清(講談社)

杯の腫瘍は、やはり悪性だった─。40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられたその日、俊介はテレビ画面に、今は遊園地になった故郷の丘を見つける。封印していた記憶が突然甦る。僕は何かに導かれているのだろうか…。「流星ワゴン」「その日のまえに」、そして─。魂を刻み込んだ、3年ぶりの長篇小説。
(1,575円-税込)


赤い糸 destiny 赤い糸 destiny
(上)(下)
メイ(ゴマブックス)

「赤い糸」から4ヵ月。運命の相手を探し、芽衣は高校2年の春を迎えていた。あのとき、たかチャンではなくて、アッくんを選んでいたら─。運命の「赤い糸」って、きっとある気がする…。最後の1ページを読んだとき、感動の涙があふれ出す。ベストセラー「赤い糸」の続編、携帯小説サイト「魔法のiランド」からの書籍化。
(1,050円-税込)


終生ヒトのオスは飼わず

終生ヒトのオスは飼わず
米原万里(文藝春秋)

米原万里、没後一年─。5匹のネコと3匹のイヌとの暮らしぶりを描いた「ヒトのオスは飼わないの?」の続編、そして、父や母の思い出、自分で書いた死亡記事など収録した「終生ヒトのオスは飼わず」を一冊に。著者が愛した「家族たち」について綴ったエッセイ集。
(1,450円-税込)


ゴーマニズム宣言 ゴーマニズム宣言
EXTRAパトリなきナショナリズム
小林よしのり(小学館)

パラオ現地取材による日本統治論、故郷・福岡から考えた「愛郷心と愛国心」藤原紀香から負け犬まで一刀両断!様々なテーマから日本を斬る。また、「ひめゆり」から「対馬丸」まで最新動向も含めた沖縄論を特別収録。「わしズム」「SAP10」掲載をもとに単行本化。
(1,365円-税込)


とてつもない日本

とてつもない日本
麻生太郎(新潮新書)

格差社会、少子化、教育崩壊…。メディアでは暗い話ばかりが喧伝されるが、日本は本当にそんなに「駄目な国」なのだろうか。日本人が考えている以上に日本は評価され、期待もされている。「日本の底力」をもう一度見つめ直し、未来を考えるための一冊。
(714円-税込)


戦国の城 戦国の城

小和田哲男(学研新書)

戦乱を生き抜いた「戦国の城」は、今ではほとんど消滅している。しかし戦国は城の時代だったといっても過言ではない。石垣も天守もない土の城が乱世を動かしていたのである。「戦国の城」を知らずして戦国は語れない。戦乱の世を生き抜いた「真の城」がここにある!
(819円-税込)


グラスホッパー

グラスホッパー
伊坂幸太郎(角川文庫)

元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに、三人の思いが交錯するとき、物語が動き出す!伊坂幸太郎、最大の問題作にして最高傑作、登場!
(620-税込)


思いわずらうことなく愉しく生きよ 思いわずらうことなく愉しく生きよ

江國香織(光文社文庫)

犬山家の三姉妹、長女の麻子はDVをめぐり複雑な夫婦関係にある。次女・治子は、仕事にも恋にも意志を貫くキャリア。余計な幻想を抱かない三女・育子は、友情と肉体が他者との接点。三人三様問題を抱えているものの、ともに育った家での時間と記憶は、彼女たちをのびやかにする…。江國香織が紡ぎあげる三姉妹の物語。
(680円-税込)

幸福な食卓

幸福な食卓
瀬尾まいこ(講談社文庫)

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて…。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。
(520-税込)