今月のおすすめbook10
2008年5月

食堂かたつむり 食堂かたつむり
小川糸(ポプラ社)
ある日、バイトから戻ると、家財道具一式と恋人の姿が部屋から消えていた。衝撃的な失恋とともに声まで失った倫子は故郷に戻り、実家の離れで食堂かたつむりを始めた。お客は一日に一組だけ。決まったメニューはなく、その人のためだけに作る料理。ここの料理を食べると、恋や願い事が叶うというまことしやかな噂とともに、食堂は評判になるが…。各界大絶賛の感動作!
(1,300円-本体価格/1,365円-定価)

戸村飯店青春100連発

戸村飯店青春100連発
瀬尾まいこ(理論社)

大阪の下町にある中華料理店・戸村飯店の二人の息子は、性格も見た目もまるで正反対。東京、大阪と離れてくらす兄弟が再会をきっかけに人生を見つめ直していく。一番大切なことは近すぎて見えないもの。単純でバカでかっこわるいけどかっこいい男子の姿を見事に描いた、瀬尾まいこ渾身の一作。
(1,500円-本体価格/1,575円-定価)


3月30日 3月30日
千原ジュニア(講談社)

「神様、僕を殺しかけてくれてありがとう。」お笑いコンビ「千原兄弟」、千原ジュニアのベストセラー「14歳」に続く自伝的小説。芸人になり、自分の笑いがまったくうけない苦悩と挫折、彼女との出会いと別れ、そして急性肝炎とバイク事故による二度の死の危機から、不可能とまで言われていたお笑い界への奇跡の復帰まで、独自の文章で書き上げた話題作!
(1,400円-本体価格/1,470円-定価)


猛女とよばれた淑女

猛女とよばれた淑女
斎藤由香(新潮社)

どうしたらおばあちゃまのように強く生きられるのですか?大病院のお嬢様として育ちながら、明治女の気骨をもって、関東大震災、東京大空襲など次々起こる困難を毅然と乗り越え、89歳で亡くなるまでに、海外渡航数なんど97回、地球36周分旅した斎藤輝子。斎藤茂吉の妻で、斎藤茂太、北杜夫の母であった女性の波乱の人生を人気エッセイストである孫娘が綴る。
(1,400円-本体価格/1,470円-定価)


いいんだよ いいんだよ
水谷修(日本評論社)

今までのこと、過去のことは、みんなみんな「いいんだよ」。明日は自然にくる。過去に苦しむことをやめて、明日を考えることをやめて…、ただ、眠ればいい。目覚めれば明日、新しい誕生。そこから新しい日々が始まるから。夜回り先生から子どもたちへのメッセージを詩集として贈る一冊。
(1,000円-本体価格/1,050円-定価)


向田邦子と昭和の東京

向田邦子と昭和の東京
川本三郎(新潮社)

現代は何を失ったのか…。敗戦から昭和30年代にかけて、急速な経済成長の中で失われた様々な習慣、やさしく奥深い言葉の数々、変わりゆく家族のかたち、東京の町並…。それらをいとおしみ、表現し、そして体現し続けた向田邦子。様変わりした現代において、今なお高い人気を誇る作品群をひもとき、早世の天才作家が大切に守り続けたものとは何かを綴る。
(680円-本体価格/714円-定価)


死刑弁護人 死刑弁護人
安田好弘(講談社)

光市母子殺害事件、オウムサリン事件など凶悪犯罪を起こした殺人犯。なぜ安田好弘は、あえて死刑求刑被告人の弁護人として法廷に立つのか?「加害者もまた弱者である」の言葉を胸に被告人の人間性に迫り、暴走する検察との戦いを赤裸々に語る、刑事裁判の真実!
(933円-本体価格/980円-定価)


震度0

震度0
横山秀夫(朝日新聞社)

阪神大震災の前日、N県警警務課長・不破が姿を消した。県警の内部事情に通じ、人望も厚い不破がなぜいなくなったのか?蒸発か?それとも事件なのか?本部長をはじめ、キャリア組、叩き上げ、それぞれの県警幹部たちの思惑が複雑に交差する…。組織と個人の本質を鋭くえぐる本格警察サスペンス!
(800円-本体価格/840円-定価)


霧笛荘夜話 霧笛荘夜話
浅田次郎(角川書店)

とある港町、運河のほとりの古いアパート「霧笛荘」。法外に安い家賃、半地下の湿った部屋。訳知り顔の管理人の老婆が、訪れる者を迎えてくれる。誰もがはじめは不幸に追い立てられ、行き場を失って霧笛荘にたどりつく。しかし、ここでの暮らしの中で、住人たちはそれぞれに人生の真実に気づき始める…。比類ない優しさに満ちた、心を溶かす7つの物語。
(580円-本体価格/552円-定価)


あの空をおぼえてる

あの空をおぼえてる
ジャネット・リー・ケアリー(ポプラ社)

妹とともに交通事故に遭い、ひとり生き残った11歳の少年ウィル。妹の死を嘆くばかりの両親のそばで、ウィルは行き場のない想いを、妹への手紙として綴り始める。家族がそれぞれに苦しみを抱えながらも、絆をとりもどしていく姿を丹念に描く珠玉の物語。映画原作本。
(540円-本体価格/567円-定価)