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2009年2月 |
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希望ヶ丘の人びと |
重松清(小学館)
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いじめ、虐待、モンスターペアレント…。あなたはいま、子どもたちにどんな「希望」を語れますか?70年代初めに開発されたニュータウン・希望ヶ丘。2年まえにガンで逝った妻の故郷であるそこに引っ越してきた父子のかけがえのない日常を描く感動長編。 |
猫を抱いて象と泳ぐ |
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小川洋子(文藝春秋) |
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もしどこかで、8×8のチェック模様を見かけることがあったら、その下をのぞいてみて下さい。猫を抱いた青年が一人、うずくまっているかもしれません。伝説のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの密やかな奇跡。触れ合うことも、語り合うことさえできないのに…大切な人にそっと囁きかけたくなる物語。 |
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告白 |
湊かなえ(双葉社)
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「愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。」我が子を行内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」、それぞれが語り、真相に迫る…。新人離れした圧倒的な筆力と伏線がちりばめられた綿密な構成。驚異のデビュー長編。第29回小説推理新人賞受賞。 |
自らの身は顧みず |
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田母神俊雄(ワック) |
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「日本は素晴らしい国だ」「侵略国家などではない」と言った著者は、航空幕僚長を解任された。しかし、誰が「悪い国」を命を懸けて守ろうとするだろうか?国を愛することを禁じるような歴史観のままでは、日本はいずれ滅びる!日本の国家再生には、歴史観の転換が必要であり、歴史認識こそ日本の安全保障を決める! |
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アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない |
町山智浩(文藝春秋) |
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アメリカ人が人の心も経済も豊かな国だったのは、今や昔。キリスト教右派のトンデモ洗脳教育、泥沼に陥り後始末できなくなったイラク戦争、年収360万の若者に2億円貸し付けて焦げ付いたサブプライムローン、相手候補への中傷合戦と化した大統領選挙…。笑った後に、日本への影響を大いに考えさせられる一冊。 |
オバマ・ショック |
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越智道雄・町山智弘(集英社) |
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史上初の黒人米国大統領に就任したバラク・オバマ。疲弊する大国は、なぜいま、彼を選んだのか?覇権国家の衰退を歴史軸で考察する研究者(越智)と、合衆国を駆け巡るフィールドワーカー(町山)が、岐路に立つアメリカの過去・現在・未来を縦横無尽に語り合い、多様な人種がオバマを支持した理由を明らかにする! |
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裁判長!これで執行猶予は甘くないすか |
北尾トロ(文藝春秋) |
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傍聴ブームという社会現象まで起こしたベストセラー「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」待望の続編!男泣き大安売りの被告人に、キャラも十人十色の裁判官。嫉妬に狂った地味な女も、キャバ嬢に騙された34歳の男も、法廷でそれぞれドラマを開催中。文庫版スペシャル・漫画家伊藤理佐の突撃傍聴マンガも必読! |
ガール |
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奥田英朗(講談社) |
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わたし、まだオッケーかな。ガールでいることを、そろそろやめたほうがいいのかな。滝川由紀子、32歳。仕事も順調、おしゃれも楽しい。でも、ふとした時に、ブルーになっちゃう…。表題作の他、働く女子の気持ちをありえないほど描き込み、全ての女性に「これって、私のこと」と言わしめて話題騒然となった短編集。 |
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ネクロポリス(上)(下) |
恩田陸(朝日新聞出版)
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懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。ジュンは文化人類学の研究のために来たが、多くの人々の目的は死者から「血塗れジャック」事件の犯人を聞き出すことだった。ところが、ジュンの目の前に鳥居に吊された死体が現れる。これは何かの警告か?犯人探しに巻き込まれていくが…。ファンタジーとミステリーの融合、1600枚の巨編、ついに文庫化! |
彰義隊 |
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吉村昭(新潮社) |
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戊辰戦争でたった一人、朝敵となった皇族がいた。上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王は、鳥羽伏見での敗戦後、寛永寺で謹慎する徳川慶喜の恭順の意を朝廷に伝えるために奔走する。しかし、彰義隊に守護された宮は朝敵となり、諸国を落ち延びる…。江戸時代の終焉を描いた歴史文学の頂点。吉村昭、最後の長編小説。 |
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